“殴(は)” の例文
旧字:毆
彼(か)の時遅く、この時早く、万平は鳥打の横面(よこつら)を平手で二つ三つ千切(ちぎ)れる程殴(は)り飛ばした。男の鳥打帽がフッ飛んで闇の中に消えた。
芝居狂冒険 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
仙「私(わっち)は通りがゝりのものだが、見兼たから仲(なけ)へ這入(へえ)ったのだ、弱(よえ)え町人を斬るの殴(は)るのと仰しゃるが、弱えものを助けるのが本当のお侍だ」
何しろ、嫉妬焼きで、清元の師匠と、変だなんて言いがかりを為るのが余り拗(くど)いので、今夜も殴(は)り倒して遣りました。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
別にあなたを斬りも殴(は)りも致しませんから御安心なさい。サヂズムは程度の差こそあれ誰にでもあるものです。
三つの痣 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「あッ、待ちねえ。親分ときた日には江戸一番の堅造(かたぞう)だ。こんなもの取次ぐと、俺は殴(は)り倒されるぜ」
仙「己は通りがゝりのものだが、弱い町人を掴(つか)めえて嚇しやアがッて、長(なげ)えのを振り廻わし、斬るの殴(は)るのッて、ヤイ此の侍(さむれえ)、殴(なぐ)り付けるぞ」
「あしこから小さな毒針を舌の先で刺しやがったんだろう。最前殴(は)り倒おされた怨(うら)みに……」
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
此ん畜生…オヽ違(ちげ)えねえ、手前(てめえ)は此の春矢切の渡場で町人を斬るの殴(は)るのッてってる処(とこ)へ、己が這入(へえ)って手前を殴(たゝ)き倒し、向後斯んな事をすると聴かねえッて