正統せいとう)” の例文
御史、建文帝は洪武こうぶ十年に生れたまいて、正統せいとう五年をへだたる六十四歳なるを以て、何ぞ九十歳なるを得んとて之を疑い、ようやく詰問して遂にそのなるを断ず。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
或は西南の騒動そうどうは、一個の臣民しんみんたる西郷が正統せいとうの政府に対して叛乱はんらんくわだてたるものに過ぎざれども、戊辰ぼしんへんは京都の政府と江戸の政府と対立たいりつしてあたかも両政府のあらそいなれば
熟達じゅくたつ、とうとう孫六遺愛のやすりを手がけようとして箱をひらいたのがせき正統せいとうの得印家に生まれて、何世かの兼光を名乗る、この子恋の森陰一軒家のあるじ、火事装束五梃駕籠の首領の老士であった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)