横佩墻内よこはきかきつ)” の例文
横佩墻内よこはきかきつの郎女は、どうなるでしょう。社・寺、それとも宮——。どちらへ向いても、神さびた一生。あったら惜しいものでおありだ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
寺の浄域が、奈良の内外うちとにも、幾つとあって、横佩墻内よこはきかきつと讃えられている屋敷よりも、もっと広大なものだ、と聞いて居た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
横佩墻内よこはきかきつに住む者は、男も女も、うはの空になつて、京中京外を馳せ求めた。さうしたはしびとの多く見出される場処と場処とは、残りなく捜された。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
二京七坊をすつかり占めた大屋敷を、一垣内ひとかきつ——一字ひとあざと見倣して、横佩墻内よこはきかきつと言ふ者が著しく殖えて来たのである。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
今から、横佩墻内よこはきかきつけつけて、彩色を持ってかえれ、と命ぜられたのは、女の中に、唯一人残って居た長老おとなである。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
荒れては居るが、こゝは横佩墻内よこはきかきつだ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)