極度きょくど)” の例文
「わかりません。なにしろ極度きょくどつかれていますから。わたしは、できるだけの手当てあてをいたしますが……。」と、B医師ビーいしこたえました。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
爆撃ばくげきをさけるためですかって。もちろんそれもありましょうが、もう一つの理由は、金博士は宇宙線を極度きょくどけて生活していられるのです。
水面からそこへうつったのが極度きょくどの力であったろう。やぐらの上をはなれると、さすがに強い猛鷲もうしゅうも、むしろくわえている重量じゅうりょうに引かれこんでゆくかたち
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然るに毎人の能力の発育に天然の極度きょくどありて、甲の能力はよく一尺に達するの量あるも、乙はわずかに五寸にとどまりて、如何なる術を施し、如何なる方便を用うるも
文明教育論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
少くも手を取り足をとるおせっかいは極度きょくどけようと思っている。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
富士男の消息しょうそくを、おそしと待ちかねていた一同は、極度きょくど緊張きんちょうした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
それまでは極度きょくどに不便をしのぶほかなかった。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
未知みち世界せかいあこがれるこころは、「幸福こうふくしま」でも、また、「わざわいしま」でも、極度きょくどたっしたときはわりがなかったからです。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
とにかく一同は、この新兵器の潜入せんにゅうについて、極度きょくどの注意を払って貰わにゃならぬ。そして一台でも早く見つけたが勝じゃ。一秒間発見が早ければ千人の兵員を救う。
(新字新仮名) / 海野十三(著)
ふたりは極度きょくど疲労ひろうした人のように、鼾声かんせいをあげて早くも熟睡じゅくすいした。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
二人ふたりくろんぼは、極度きょくど自分じぶんらののまわりにあつまってくるひとたちをおそれていました。こんなにりっぱなまちつくることのできる人々ひとびとだから、どんなにちからがあるであろう。
幸福に暮らした二人 (新字新仮名) / 小川未明(著)
鈴江は自分のれている岡安と情人じょうじんたる春江とのよい仲に極度きょくど嫉妬しっとをおこし、二人の逢瀬おうせ度々たびたび屋根裏の物置で行われているのを知ったもので、とうとうたまりかねて、春江を殺す決心をした。
電気看板の神経 (新字新仮名) / 海野十三(著)
(ドイツ軍の上陸作戦を、極度きょくどに恐れているのだな)
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)