“楢茸”の読み方と例文
読み方割合
ならたけ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
楢茸ならたけ湿地茸しめじだけも少しは立つ。秋はさながらの虫籠むしかごで、松虫鈴虫の好いはないが、轡虫くつわむしなどは喧しい程で、ともすれば家の中まで舞い込んでわめき立てる。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
よく楢茸ならたけの初物だの何だのっては、味噌漉みそこしに入れて持って来てくれた。時には親切に困ることもあった。ある時畑のくろの草を苅ってやると云ってかまげて来た。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
楢茸ならたけ湿地茸しめじだけ、稀に紅茸、初茸は滅多になく、多いのが油坊主あぶらぼうずと云う茸だ。一雨一雨に気は冷えて行く。田も林も日に/\色づいて行く。甘藷さつまが掘られて、続々都へ運ばれる。田舎は金が乏しい。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)