村主すぐり)” の例文
村主すぐりの何某という人が、人も大勢使って家ゆたかにすんでおりましたが、九州に商品を積んで下ったところ、その船が行方不明になってしまい、その後は
「県の何某がのここにあるはまことか」と云うと、鍛冶かじの老人が出て、「この家三とせばかり前までは、村主すぐりの何某という人のにぎわしくて住侍すみはべるが、筑紫つくし商物あきもの積みてくだりし、 ...
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
此の家三とせばかりさきまでは、村主すぐりの何某といふ人の、一八九にぎはしくて住みはべるが、一九〇筑紫つくしあきみてくだりし、其の船行方ゆくへなくなりて後は、家に残る人も散々ちりぢりになりぬるより