本願寺ほんがんじ)” の例文
近ごろ世間に海軍とやら本願寺ほんがんじとやら何々党なになにとうとやらに関して、種々しゅじゅ面白おもしろからざる表裏ばなしを聞くが、つみにくむべきも、その関係者の人については、慈悲じひの心をもって当たりたい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
ほとんどすべての大本山がここに集ります。浄土宗の知恩院ちおんいん百万遍ひゃくまんべん真言しんごん宗の東寺とうじ智積院ちしゃくいん、真宗の両本願寺ほんがんじ、禅宗の南禅寺なんぜんじ妙心寺みょうしんじ大徳寺だいとくじ、時宗の歓喜光寺かんきこうじ、天台宗の妙法院みょうほういん延暦寺えんりゃくじ
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
以前奉公先なる待合の亭主の世話で新富座の長吉ちょうきち贔屓ひいきの客には知られている出方でかたの女房になって、この築地つきじ二丁目本願寺ほんがんじ横手の路地に世帯しょたいを持ってからもう五年ほどになるがまだ子供はない。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
雑誌『三田文学』を発売する書肆しょし築地つきじ本願寺ほんがんじに近い処にある。華美はで浴衣ゆかたを着た女たちが大勢、殊に夜の十二時近くなってから、草花を買いに出るお地蔵じぞうさまの縁日えんにち三十間堀さんじっけんぼり河岸通かしどおりにある。
銀座 (新字新仮名) / 永井荷風(著)