本殿ほんでん)” の例文
「——ありがとうございました。して、これから大久保おおくぼさまのご本殿ほんでんか、おおもてへまいるには、どこにり口がありましょうか……」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
玄竹げんちく本殿ほんでんのぼつて、開帳中かいちやうちう滿仲公みつなかこう馬上姿ばじやうすがた武裝ぶさうした木像もくざうはいし、これから別當所べつたうしよつて、英堂和尚えいだうをしやう老體らうたい診察しんさつした。病氣びやうき矢張やは疝癪せんしやくおもつたのであつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
頭の上でガラガラと異様いようなものおとを聞いたかと思うと、四、五枚の青銅瓦せいどうがわらが、ひさしのはしから落ちてくるなり本殿ほんでん平屋ひらやかわらの上で、すさまじい金属音きんぞくおんを立てた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海老錠えびぢやうのおりた本殿ほんでんの扉が向ふの方に見えて、薄暗い中から八寸ぐらゐの鏡が外面そとの光線を反射してゐた。扉の金具かなぐも黄色く光つて、其の前の八足やつあしには瓶子へいしが二つ靜かにつてゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「それはすぐこのご本殿ほんでん階上うえ、三そうまでの階段かいだんをみな取りはずしてございますうえに、あのいけのほうにも、さむらいせておきましたゆえ、これまた、ご安心でござります」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鷹尾山たかをさん法華三昧寺ほつけさんまいじ多田院ただのゐんつても、本殿ほんでん拜殿はいでんとは神社風じんじやふうで、兩部りやうぶになつてゐた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
ここ宝珠寺の本殿ほんでんでは、時に、三人の怪人が、三ツの曲彔きょくろくに、片胡坐かたあぐらを組みあっていた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)