末輩まっぱい)” の例文
過日来の御評議は、われら末輩まっぱいには知るよしもないが、およそ興亡に関わる大事な軍議が、老臣の衆だけで決定されるはずはない。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なんの、あのことは、蔡将軍さいしょうぐんの仕業ではありません。おそらく末輩まっぱいの小人ばらがなした企みでしょう。私はもう忘れております」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
執り行う碩学せきがくのお眼にかのうた者が授かるものだと伺っております。なんで、私のような末輩まっぱいが、知ろう道理はありません
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ゆうべ……いや明け方かも知れんな。この附近、を負った学僧が一名、歩み迷ってはいなかったか。——まだ生若い末輩まっぱいじゃよ。ご存じないかの」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その頭角とうかくすら認められず、柴田、丹羽、滝川などの諸将から見ればずっと末輩まっぱいに置かれていた頃なのに、当時、恵瓊が都から中国へ報じた吉川元春あての書状のうちには、偶然か
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
命令の不当をこう鳴らす者は、ひとり真田父子ばかりでなく、一族末輩まっぱいにいたるまで
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつも御健勝のていで、宮方たるわれら末輩まっぱいまで、心強うぞんぜられます
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)