木兎ずく)” の例文
……其時、おや、小さな木兎みみずく、雑司ヶ谷から飛んで来たやうな、木葉このは木兎ずく青葉あおば木兎ずくとか称ふるのを提げて来た。
玉川の草 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
軽焼が疱瘡痲疹の病人向きとして珍重されるので、疱瘡痲疹のまじないとなってる張子はりこの赤い木兎ずくや赤い達磨だるまを一緒に売出した。店頭には四尺ばかりの大きな赤達磨を飾りつけて目標めじるしとした。
土手の松へは夜鷹よたかが来る。築土つくどの森では木兎ずくが鳴く。……折から宵月よいづきの頃であった。親雀は、可恐おそろしいものの目に触れないように、なるたけ、葉の暗い中に隠したに違いない。
二、三羽――十二、三羽 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)