朧銀おぼろぎん)” の例文
雨戸を一枚蹴開けひらいて、其儘朧銀おぼろぎんの夜の庭へ、怪鳥の如く飛降りるのを待つてましたとばかり、下から無手むずと飛付いたものがあります。
国技館の天に朧銀おぼろぎんの縁をとった黒い雲が重なり合って、広い大川の水面にしじみ蝶の翼のような帆影が群っているのを眺めると、新蔵はいよいよ自分とお敏との生死の分れ目が近づいたような
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
雨戸を一枚蹴開いて、そのまま朧銀おぼろぎんの夜の庭へ、怪鳥のごとく飛降りるのを、待ってましたとばかり、下からむずと飛付いたものがあります。
朧銀おぼろぎんのような橋の上の月夜、その上をトボトボと歩いて行く男女二人、中ほどに差しかかると、欄干らんかんもたれるように、しばらく何やら話している様子です。