服喪ふくも)” の例文
「陰気なと申されたが、しかし御家中の服喪ふくもは、すでに明けておるはず。しかるに、なぜ今年も足利家では、門松をお立てなさらんのか」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ましてご服喪ふくもの折、野駈けに出て、洛外で密談に寄り合うなどはまずいでしょう。……それよりは新田と二人で、こよいひそかに御所へさんじまする。
宮中には服喪ふくもノ令が出て、一切の慎みが守られ、市中にも数日の鳴物停止ちょうじが令せられた。——ご病中だった皇后の禧子よしこがおなくなりになったからである。
十二とき(一昼夜)の御別行ごべつぎょう服喪ふくも)だけでも、このさい過分至極なのに、もしお体にでもさわっては一大事ですし、また、陣中どことなく銷沈しょうちんのていにもござります。
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……はてな」と見まわして「服喪ふくもは一年、先代貞氏さだうじなら、もう明けているはずだが」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『御主君の服喪ふくもにある其許そこもとに、こう酌いだら、悪かろうな、よそうか』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)