暴挙ぼうきょ)” の例文
そしてわが新宇宙艇が月世界探険にのぼる決心だと知るとたいへんおどろいて、その暴挙ぼうきょをぜひつつしむようにといくども勧告をしてきたのだった。
月世界探険記 (新字新仮名) / 海野十三(著)
自分の副将であり、私的には友人である村重の暴挙ぼうきょを言外に惜しんでいう真情が——そう罵倒ばとうする中に、却って深いものがあるように聞えた。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうかしてこの人を、そんな暴挙ぼうきょと不徳の思い立ちから引き戻したいとねがう——最後の望みを捨てきれなかったのである。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は、ひとりぎめにすぎる白木の暴挙ぼうきょに対し、すくなからぬ不満をおぼえたのであるが、事ここに至っては、そんなことを云っても何にもならない。
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
長良川博士は、最大の名誉などの好餌こうじにつられることなく、おしよせた会員たちの暴挙ぼうきょをいましめるところがあった。
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
十分なる吉良の邸内の見取図と、上野介の在邸を確実にしないで、漫然と、臆測ぐらいで大事を挙げることは、むしろ暴挙ぼうきょであるし、第一、内蔵助がとうとしない。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「フタタビ警告スル。無謀ナルコトヲヤメヨ。タッテヤルトイウナラ、ハ世界人類ノ不幸ヲ救ウタメ、カワッテソノ暴挙ぼうきょヲ思イトドマラスデアロウ。——黄色ノ眼ヨリ」
海底大陸 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「初めから知れている暴挙ぼうきょだ。それにもりず、暴挙を押しなさる」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それにつけても自分の油断はわらうべき一代の失策だったし、彼の怒りも愚かなる暴挙ぼうきょに過ぎないことをあわれんだ。あわれ光秀、汝もまた、幾日をおいて、予のあとを追わんとするや、と問うてみたい。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)