旅稼たびかせ)” の例文
両替屋出入りの客などをお花客とくいにして、大きな商賈しょうことなっているうえ、渡り職人や、旅稼たびかせぎの女芸人にいたるまで、他国者よそものが入市するには、ぜひとも
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
旅稼たびかせぎから帰って来た青柳は、放浪者のようにやつれて、すってんてんになってお雪のところへ転げこんで来るのであったが、お雪は切れた切れたと言いながら、やはり男の帰って来るのを待っていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
旅合羽たびがっぱ手甲てっこう脚絆きゃはん、きびきびとした素草鞋すわらじ、どこか、抜目のない様子、旅稼たびかせぎの遊び人かとも見える。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)