“文銭”の読み方と例文
読み方割合
ぶんせん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
婆さんはまた黙って文銭ぶんせんの上をながめていたが、前よりは重苦しい口調で、「まあおんなじですね」と答えた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
幕府にてしもせき償金しょうきんの一部分を払うに際し、かねてたくわうるところの文銭ぶんせん(一文銅銭)二十何万円を売りきんえんとするに、文銭は銅質どうしつ善良ぜんりょうなるを以てその実価じっかの高きにかかわらず
大抵たいていは五厘銭か寛永通宝くわんえいつうはうである。その又穴銭の中の文銭ぶんせんを集め、所謂いはゆる「文銭の指環ゆびわ」をこしらへたのも何年まへの流行であらう。僕等は拝殿の前へ立ち止まり、ちよつと帽をとつてお時宜じぎをした。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)