撥条バネ)” の例文
旧字:撥條
丁度一分ぐらい経ったと思われる頃、撥条バネが外れたようなジジーという音がした。すると速水は、床から器械を外すのであった。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうして銃身の撥条バネ墨汁すみで塗ったヒューズと取り換えておいたのです。……ですから撃鉄ひきがねを引いても落ちやしないんです。この通りです
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
二十七日、払暁荷車にぐるまに乗りて鉄道をゆく。さきにのりし箱にくらぶれば、はるかにまされり。固より撥条バネなきことは同じけれど、壁なく天井てんじょうなきために、風のかよいよくて心地あしきことなし。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)