描写びょうしゃ)” の例文
彼の顔には、白いぬのがかぶせてあった。博士は、その布をのけて宮川の後頭部をしらべたが、そこには描写びょうしゃのできないほどのひどい傷があった。
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかもそれが、美しい風景ふうけい描写びょうしゃとともに、ゆたかな空想力によって、じつにすばらしい物語となっているのです。
これは現代の若き女性気質の描写びょうしゃであり、諷刺ふうしであり、概観がいかんであり、逆説である。長所もあれば短所もある。読む人その心して取捨しゅしゃよろしきに従いたまえ。
現代若き女性気質集 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
どうも競馬を本当に描写びょうしゃした文学はないね、競馬は女より面白いのにね、僕は競馬場へ女を連れて来るやつの気が知れんのだ、競馬があれば僕はもう女はいらんね
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
読んでいる人が、どこかで見たと思うくらいに、いきいきとえがかれている人物も、しみじみとした感情も、それから、しゃれたユーモアも、美しい自然の描写びょうしゃもよ。
空想物語の構成は日をうて巧みになる。想像による情景描写びょうしゃはますます生彩せいさいを加えて来る。自分でも意外な位、色々な場面があざやかにかつ微細びさいに、想像の中に浮び上って来るのである。
狐憑 (新字新仮名) / 中島敦(著)
すると突然とつぜん一人の娘が、そっと立ち上がるのよ。……ここのところは、よく描写びょうしゃしなければいけないわ。月の光を浴びて、その娘が静かに立ち上がるところや、ほかの友達がびっくりする有様をね。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)