持崩もちくづ)” の例文
蘿月らげつは若い時分じぶんしたい放題はうだい身を持崩もちくづした道楽だうらく名残なごりとて時候じこう変目かはりめといへば今だに骨の節々ふし/″\が痛むので、いつも人よりさきに秋の立つのを知るのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
持崩もちくづし十七歳の時浪人らうにん仕つり其後京都に出て日野家に奉公致し候と茲に至つて實の素性すじやう白状はくじやうに及びけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「兎に角やつて見よう。白旗直八は身を持崩もちくづしてゐるが、元が元だから、女や子供に殺される人間ぢやねえ。左孝を二階から突き落したのと同じ人間なら、直ぐ解る筈だ」
買ふの三道樂に身を持崩もちくづして、借金だらけな船頭三吉の死骸からは、腹卷の奧深く祕めた百兩の小判が現れ、野幇間七平の死骸には、背後はいごから突き刺した凄まじい傷が見付かつたのです。