“拐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かどわか30.0%
かど20.0%
かせ10.0%
かどはか10.0%
かどわ10.0%
さら10.0%
カド10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
何物かにかどわかされたとしか考えられぬが、女子供ではあるまいし、大の男がそんなに易々と拐されるのは、ちょっと想像も出来ない不思議な出来事であった。
偉大なる夢 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
石坂の家は先祖代々、息子が嫁を迎え、その嫁が一人の子供を生まんうちは、わしらのようなものの精が、どんな妖気を弄んだところで、あの息子をかどわかすことはできない。
岩魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
そのかせとはほそき丸竹を三四尺ほどの弓になしてそのつるに糸をかけ、かせながら竿さをにかけわたしてさらす也。
誰か這入つて來て、私をかどはかしはしないかと云ふ、大へん妙な、恐ろしい不安を感じながら、そこで、永い間、歩き𢌞つてゐた。
私は烏啼天駆にかどわかされて、彼奴の後宮ハレムへ入れられちまったんです。もっとも私の役は、後宮の一員として彼奴に仕えることでなく、実は後宮の美女たちに仕える女の役を仰せつかったんです。
狂言だけについて言つても、あの中におのづから描写せられてゐる其時世装の上に、気随な大名・諸侍シヨザムラヒや、水破スツパ無頼の徒や、人妻カドひ・放蕩人の類として現れてゐる。
「さうや さかいに」 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)