もた)” の例文
知られぬ橋手前の菊菱きくびしおあいにくでござりまするという雪江を二時が三時でもと待ち受けアラと驚く縁の附際つけぎわこちらからのようにもたせた首尾電光石火早いところを
かくれんぼ (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)
我は今無言なり、膝を折りて柱にもたれ、歯をみ、眼をめいしつゝあり。知覚我を離れんとす、死のはりは我がうしろに来りてをりうかゞへり。「死」は近づけり、然れどもこの時の死は、生よりもたのしきなり。
我牢獄 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
その時美しい女があってその画舫の窓をけてそこにもたれながら四辺あたりを眺めた。梁は画舫の中へ目をやった。一人の少年があしを重ねて坐り、その傍に十五六の美しい女がいて、少年の肩をもんでいた。
西湖主 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)