悸然はつ)” の例文
哀れな瞳が狂気したやうな額の下からぢつと此方こちらを見てゐる。私は悸然はつとして乳の上を抑えた、白い手の芽も飛び出さなかつた、と思ふとぢつとつぐんだ唇が稍安心と憎悪の薄笑ひを浮べる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)