悪者わる)” の例文
「それだけの人数の悪者わるが、いったい、なんのためにみな江戸を離れていったのだろう。……なにか思いあたることがないか」
これは私が悪う御座りました、ではお乗せ申ませう、お供を致しませう、さぞお驚きなさりましたろうとて悪者わるらしくもなく提燈を持かゆるに、お関もはじめて胸をなで
十三夜 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それをかおうと猶太人ジュウ悪者わる
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
「……なア、ひょろ松、御府内の悪者わるは、その後まだ鳴りをひそめているだろう、それにちがいなかろう」
まだ縁づかぬ妹どもが不憫ふびん、姉が良人おつとの顔にもかかる、この山村は代々堅気一方に正直律義を真向まつかうにして、悪い風説うわさを立てられた事も無き筈を、天魔の生れがはりか貴様といふ悪者わるの出来て
大つごもり (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)