形容なりかたち)” の例文
けれども、脊恰好せいかっこうから、形容なりかたち生際はえぎわの少し乱れた処、色白な容色きりょうよしで、浅葱あさぎ手柄てがらが、いかにも似合う細君だが、この女もまた不思議に浅葱の手柄で。
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同じようなあおい眼、同じような金髪、同じような形容なりかたちの顔を見た。
や或るひは面體めんてい惡氣にくげに心は善良ぜんりやうるもあり或ひに面體めんてい柔和にうわにして胸中きようちう大膽不敵だいたんふてきなる者有所謂いはゆる外面如菩薩げめんによぼさつ内心ないしん如夜刄によやしやほとけも説給ひし如し然れば其面體めんてい柔和にして形容なりかたち柔和おとなしやかなる者の言事は自然と直なる樣に聞ゆれども其事は邪心じやしん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
せざればとて此方こなたに於て如何共せんすべなく樣子もわからざれば若や病死びやうしにても致されしや假令たとへ夫にしてもお蔦殿つたどのお菊共約束やくそくあり此方このはうの得意までまかせ置し者なれば是非ぜひともむかひは參るべし深く案事あんじられ病氣びやうきにてもいでぬやうなし給へと云紛いひまぎらせども母は我が子の窶然みすぼらし形容なりかたち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
貯へたる稼は武家町人は何れへ奉公ほうこう致したるぞと有るに九助然れば御はづかしきことながら日本橋室町三丁目のといふ時大岡殿如何さま番人の九助なりしと云るれば九助は然樣に候とこたふるに大岡殿成程今はみいらの如くにからだくだかれ昔の形容なりかたちなきゆゑ心付ざりしが其みぎりは正直過て上の御厄介になりたるなんぢさら昔しの事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)