“平中”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
へいじゅう66.7%
へいちゆう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼女は別段母を悪くは云わなかったが、平中へいじゅうとのことを知っていて、彼と母との媒介をする讃岐に対しては反感を持っていたようであった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そうこうするうち、その年の夏も過ぎ、秋も暮れて、平中へいじゅうの家のまがきに咲いた菊の花も色香がうつろう季節になった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
平の好風よしかぜに子が三人ある、丁度その次男に生まれたから、平中へいちゆう渾名あだなを呼ばれたと云ふ、わたしの Don Juan の似顔である。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
平中へいちゆうは独り寂しさうに、本院の侍従のつぼねに近い、人気ひとけのない廊下に佇んでゐる。その廊下の欄にさした、油のやうな日の色を見ても、又今日は暑さが加はるらしい。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)