左千夫さちお)” の例文
左千夫さちおいふ柿本人麻呂かきのもとのひとまろは必ず肥えたる人にてありしならむ。その歌の大きくしてせまらぬ処を見るに決して神経的せギスの作とは思はれずと。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
「連作論」中に、左千夫さちおの問いに答えて子規が「俳句は総合的で複雑なものだから連作の必要がないが、短歌は連続的で単純なものであるから連作ができる」
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
左千夫さちお先生のことをおもうと、私にはいかにも懐かしい気分がいてくる。
左千夫先生への追憶 (新字新仮名) / 石原純(著)
左千夫さちお来り秀真ほつま来りふもと来る。左千夫は大きなる古釜を携へ来りて茶をもてなさんといふ。釜のふたは近頃秀真のたる者にしてつまみの車形は左千夫の意匠なり。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
左千夫さちお氏が連作の趣味を形容して「植え込み的趣味」と言っているのはなかなかおもしろいと思われる。
連句雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
昨夜も大勢来て居った友人(碧梧桐へきごとう鼠骨そこつ左千夫さちお秀真ほつまたかし)は帰ってしもうて余らの眠りについたのは一時頃であったが、今朝起きて見ると、足の動かぬ事は前日と同しであるが
九月十四日の朝 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
午後四時過左千夫さちお今日の番にてはる。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)