崛強くっきょう)” の例文
信長に至っては自家集権を欲するに際して、納屋衆の崛強くっきょうにくみ、之を殺して梟首きょうしゅし、以て人民を恐怖せしめざるを得無かったほどであった。
雪たたき (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この元気な崛強くっきょうな人の葬式とむらいに行った私は、彼が死んで私が生残っているのを、別段の不思議とも思わずにいる時の方が多い。しかし折々考えると、自分の生きている方が不自然のような心持にもなる。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
西村左馬允さまのすけ、岡田大介、岡半七等、いずれも崛強くっきょうの者共で、其戦に功が有ったのだったが、皆令を犯したかどいとまを出されて浪人するのむを得ざるに至った。
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
なくとも崛強くっきょうなる奥州の地武士が何を仕出さぬとも限らぬところである、また然様いう心配が無くとも広闊こうかつな出羽奥州に信任すべき一雄将をも置かずして
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
し建文帝にして走って域外にで、崛強くっきょうにして自大なる者にるあらば、外敵は中国をうかがうの便べんを得て、義兵は邦内ほうないに起るく、重耳ちょうじ一たび逃れてかえって勢を得るが如きの事あらんとす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
これは是れ伊川いせんみずからこの説を造って禅学者をう、伊川が良心いずくにかる、と云い、かんを以て天をうかがうが如しとは夫子ふうしみずからうなりと云い、程夫子ていふうし崛強くっきょう自任じにんす、聖人の道を伝うる者
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)