山城国やましろのくに)” の例文
ただ、西のかたはるかに、山城国やましろのくに浄瑠璃寺じょうるりでら吉祥天きっしょうてんのお写真に似させ給う。白理はくり優婉ゆうえん明麗めいれいなる、お十八、九ばかりの、ほぼひとだけの坐像である。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
山城国やましろのくにあたりですらすでにそんな凶相きょうそうがあらわれ出した以上、これからかかる伊賀山中の柘植つげ地方や加太越かぶとごえあたりの間道はその危ないこと、思いやらるるものがある。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山城国やましろのくに京来派の名工、来国光らいくにみつの作と伝えられ、同じく血を浴びて、井沢判事の屍体の下に落ちていた刀も、備前一文字吉房びぜんいちもんじよしふさの作、一尺八寸六分の業物わざものであり、両氏の無数の刀傷
棚田裁判長の怪死 (新字新仮名) / 橘外男(著)
嫗 やがてそれがお寺の名になって、山城国やましろのくにに古蹟が一つ殖えるかも知れない。
蟹満寺縁起 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「では、かねてお前に詳しく言いふくめてある通り、これを持って、山城国やましろのくにの含月荘へ」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけても、勝龍寺しょうりゅうじの城などは、事変の中心地から、馬なら一鞭ひとむちで来られる山城国やましろのくに乙訓郡おとくにごおりにあるので、桂川かつらがわの水が、白々と朝を描き出した頃には、もう悍馬かんばを城門に捨てた早打ちの者が
山城国やましろのくに四明ヶ岳含月荘御内おんうち、大村郷左衛門様
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老坂おいのさか。——ここから先は山城国やましろのくにになる。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
山城国やましろのくに四明しめいだけ
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)