小子それがし)” の例文
横笛が事、御容しなきこと小子それがしに取りては此上もなき善知識。今日けふを限りに世を厭ひて誠の道に入り、墨染のころもに一生を送りたき小子それがしが決心。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
『否、小子それがしこと色に迷はず、にも醉はず、しんもつて戀でもなく浮氣でもなし、只〻少しく心に誓ひし仔細の候へば』。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
瀧口が顏は少しく青ざめて、思ひ定めし眼の色たゞならず。父はしばことばなくうつむける我子の顏を凝視みつめ居しが、『時頼、そは正氣しやうきの言葉か』。『小子それがしが一生の願ひ、しんもついつわりならず』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)