媚沢山こびだくさん)” の例文
旧字:媚澤山
二十一二の年増盛りで、お芳の野暮やぼったい様子に比べると、お月様とすっぽんほどの違い。身の廻りのぜいはとにかく、厚化粧で、媚沢山こびだくさんで、話をしていても愛嬌がこぼれそう。
そいつは若作りの媚沢山こびだくさんのお倉にとっては嫉妬しっとをさえ感じさせる狂態だったのでしょう。その上骨董におぼれた晩年の重兵衛は、女房のお倉に半襟はんえり一と掛買ってやる気さえ失ってしまったのです。