“娶(も)” の例文
「娶(も)てよ、早く。青春は短い。未来の大望にでもかかると、馬上、花をかえりみる間もないぞ。……たれか、あてはあるのか。恋人は」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人間にできないことを人間がやっている顔つきしているんだから無理もないわさ! 俺は、前(さき)の少僧都(しょうそうず)範宴——今は吉水の綽空(しゃっくう)が、公々然と、妻を娶(も)つということを聞いて、こいつはいいと思った。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それ、それがわるい。吝嗇(りんしょく)というものじゃ。他人(ひと)に貸す小金ぐらいはある土肥家の跡取り息子、女房子ぐらい、何じゃ。わしから、一同へ頼んでおくが、よい嫁はないか、あったら早速、娶(も)たせにゃいかんで」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)