娘盛むすめざかり)” の例文
なだ銘酒めいしゆ白鶴はくつるを、白鶴はくかくみ、いろざかりをいろもりむ。娘盛むすめざかり娘盛むすめもりだと、おじやうさんのおしやくにきこえる。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
娘盛むすめざかりに思いつめたおつぎさんこそ不運な人。女の身程悲しいものは有りません。変れば変る人の身の上です。わずか小一年ばかりの間に、おつぎさんのこの変りようはどうでしょう。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
この若い細君がまだ娘盛むすめざかりの五六年ぜんに、自分はすでにその声も眼鼻立めはなだちも知っていたのではあるが、それほど親しく言葉をわす機会もなかったので、こうして岡田夫人として改まって会って見ると
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)