大喝一声だいかついっせい)” の例文
大喝一声だいかついっせい、金博士は相手のあごをぐわーンと一撃やっつけた。とたんにあたりは大洪水だいこうずいとなったという暁の珍事ちんじであった。
今まで息を殺していた土方歳三が大喝一声だいかついっせいみずかさっと太刀を引き抜くと、いなごの如く十余人抜きつれて乗物を囲む。
大根おおねの気性がさっぱりしていたからであろう。なにかというとすぐ「馬鹿野郎。」と大喝一声だいかついっせいした。祖父はたいへん毛深いたちで、とりわけてひげが濃かった。すこし剃刀かみそりを怠ると恐い顔になる。
桜林 (新字新仮名) / 小山清(著)
と声をかける大喝一声だいかついっせい、ピイーンと曲者のきもへ響きます。
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「こらッ」と大喝一声だいかついっせい、塀のかげから佩剣はいけんを鳴らして飛びだしてきた一人の警官! 帆村のくびっ玉をギュッとおさえつけた、帽子が前にすっ飛んだ。
人造人間事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
今藤六が障子越しに突込つきこみに掛る途端に大喝一声だいかついっせい
大喝一声だいかついっせい、怪塔王の膝頭ひざがしらは、帆村の下腹をひどいいきおいでつきあげました。腹の皮がやぶれたろうと思ったくらいです。何条なんじょうもってたまりましょう。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうだとすれば、怪塔を爆発からすくうのは、今だ、今だけである、そう思った怪塔王は、いきなり三人の黒人の方をふりかえりざま、大喝一声だいかついっせいしました。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)