大刀たち)” の例文
それは美濃の國のアヰミ河の河上の喪山もやまという山になりました。その持つてつた大刀たちの名はオホバカリといい、またカンドの劒ともいいます。
その余の者は思い思いの半裸のすがた、抜身ぬきみ大刀たちを肩にした数人の者を先登に、あとは一抱えもあろうかと思われるばかりのひのきの丸太を四五人してかついで参る者もあり
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
素襖すあをかきのへたながら、大刀たちの切字や手爾遠波てにをはを、正して点をかけ烏帽子ゑぼし、悪くそしらば片つはし、棒を背負しよつた挙句の果、此世の名残執筆の荒事、筆のそつ首引つこ抜き、すゞりの海へはふり込むと
細木香以 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そこでその大神の髮をつてその室の屋根のたる木ごとに結いつけて、大きな巖をその室の戸口に塞いで、お妃のスセリ姫を背負せおつて、その大神の寶物の大刀たち弓矢ゆみや
その余の者は思ひ思ひの半裸のすがた、抜身ぬきみ大刀たちを肩にした数人の者を先登に、あとは一抱へもあらうかと思はれるばかりのひのきの丸太を四五人してかついで参る者もあり
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
ここにアメノオシヒの命とアマツクメの命と二人が石のゆきを負い、あたまこぶになつている大刀たちいて、強い弓を持ち立派な矢を挾んで、御前みまえに立つてお仕え申しました。
大刀たちを振りかざし掛声かけごえも猛に、どこやらのやしきから持ち出したものでございましょう、重たげな長櫃ながびつを四五人連れでいて渡る足軽の姿などは、一々目にとめているいとまもなくなります。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
昼日なかの大路を、大刀たちを振りかざし掛声かけごえも猛に、どこやらのやしきから持ち出したものでございませう、重たげな長櫃ながびつを四五人連れでいて渡る足軽の姿などは、一々目にとめてゐるいとまもなくなります。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)