外者そともの)” の例文
警固の中に加わっている地方じかた(本土)武士のうちにも、また、いつか島内へ流れこんで来ている外者そとものの山伏や僧などの宮方臭い人物までも、あんに配所をめぐって
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「仕果したら、そちほどな奴、外者そとものにすてておくも惜しい。藩士に取り立て、目をかけてやろう」
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だから小田原でもそれらの人間は、外者そとものといわれて下士待遇以上には出られなかった。
城外のからにあたる黒沢の裏谷に、黒沢衆とも青鷺衆ともよばれている外者そともの(藩外の雇傭人こようにん)の小屋だまりがある。近侍は、そこのたむろから二十五、六歳の小がらで固肥かたぶとりな男を呼び出した。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)