壱岐殿いきどの)” の例文
電車のない夏の炎天を壱岐殿いきどの坂下まで歩いて紅葉はヨボヨボじいさんの二人乗を見付け、値切ねぎり倒して私と二人で合乗あいのりして行くと
それから十分ばかりのち、圓朝を乗せた人力車は、暗い湯島の切通しから、本郷三丁目を壱岐殿いきどの坂へと、鉄輪の音響おとを立てながら走っていた。
円朝花火 (新字新仮名) / 正岡容(著)