“壱岐殿坂”の読み方と例文
旧字:壹岐殿坂
読み方割合
いきどのざか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眼に血をそそぎ、すさまじい形相ぎょうそう壱岐殿坂いきどのざかのほうを見こむと、草履ぞうりをぬいで跣足はだしになり、髪ふりみだして阿修羅あしゅらのように走りだした。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
と少しことばが和らいで来たので、主税はほっ呼吸いきいて、はじめて持扱った三世相を懐中ふところへ始末をすると、壱岐殿坂いきどのざか下口おりぐちで、急な不意打。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
現今いまの言葉で言えば、非常に推理力の発達した男で、当時人心を寒からしめた、壱岐殿坂いきどのざかの三人殺しや、浅草仲店の片腕事件などを綺麗に洗って名を売り出したばかりか