噛鳴かみな)” の例文
あるいは神を「彼」と呼びて「れ怒りて我を掻裂かきさきかつくるしめ、我に向いて歯を噛鳴かみならしわが敵となり目をくして我をる……彼は我を打敗うちやぶりて破壊やぶれ破壊やぶれを加え、 ...
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
お互に此処ここに何して居る。其のにじの散るのを待つて、やがてはう、突かう、めう、しやぶらうと、毎夜、毎夜、此のあいだ、……咽喉のどくちばしを、カチ/\と噛鳴かみならいてるのでないかい。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
お互にここに何している。その虹の散るのを待って、やがて食おう、突こう、みょう、しゃぶろうと、毎夜、毎夜、この間、……咽喉のどくちばしを、カチカチと噛鳴かみならいておるのでないかい。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
歯を噛鳴かみならす音をさす。女童等、走りちかづく時、つらを差寄せ、大口く。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
が、いかな事にも、心を鬼に、爪をわしに、狼のきば噛鳴かみならしても、森でうしの時参詣まいりなればまだしも、あらたかな拝殿で、巫女みこの美女を虐殺なぶりごろしにするようで、笑靨えくぼに指も触れないで、冷汗を流しました。
菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)