喝破かつぱ)” の例文
子爵といふ金箔をツて社會に立たうと思はぬといふのを冒頭のつけにして、彼の如き事情の下に生まれた子は、親の命令に服從する義務が無いと喝破かつぱ
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
滝田樗陰たちたちよいん君の如きも、上から下までずつと眼をやつて、「いけませんな」と喝破かつぱしてしまつた。
鑑定 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
道人はこれをほんたうの手習ひと称し、世間でいふ手習ひは目習ひにすぎぬと喝破かつぱした。
秋艸道人の書について (新字旧仮名) / 吉野秀雄(著)
加藤弘之氏が「真政大意」を作りて人民参政の権利を以て自然の約束にでたりと論じ、福沢諭吉氏が西洋事情世界国尽くにづくしの如き平民的文学をはじめて天は人の上に人を作らずと喝破かつぱせしが如き
明治文学史 (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
「君の着物は相不変遊んでゐるぢやないか」と喝破かつぱした。
着物 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)