“唐茄子”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とうなす80.0%
たうなす12.0%
とまと4.0%
トマト4.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「こいつ! 案外、話せん男だ、俺はちと買いかぶったかな。——じゃすすめない、しゃくをしてくれ。君はその唐茄子とうなすでも、食っておれ」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
栖鳳氏はそばに拡げた紙本しぼんに一百円もしさうな唐茄子たうなすきかけてゐたが、客が入つて来たのを見ると、絵筆を投げて此方こつちに向き直つた。
渓仙氏はうちにゐた。唐茄子とまとのやうな真つ赤な客の顔を見ると、つい愛相あいそが言つてみたくなつた。
僧侶ばうさんはうろたへ出した。禿げた頭を唐茄子トマトのやうに真つ赤にして、草のなかを掻き分けてゐたが、暫くしてやつとこさで見つかつた。上人は汗ばんだ顔を持ち上げた。