合壁かっぺき)” の例文
近所合壁かっぺきみんな肺病患者で、悲しい哉、彼等の大部分の人達は他の一切を放擲ほうてきして治病をもって人生の目的とする覚悟がなく
青春論 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
これは郊外に出て遊ぶ事で一家一族近所合壁かっぺきなどの心安き者が互にさそひ合せて少きは三、四人多きは二、三十人もつれ立ちて行くのである。
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
そうして出たついでに近所合壁かっぺきの家だけは玄関まで侵入して名刺受けにこっそり名刺を入れておいてから一遍奥の方を向いて御辞儀をすることにしていたのであるが
新年雑俎 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)