取毀とりこぼ)” の例文
この本堂の内陣の土蔵のとびらにも椿岳の麒麟きりん鳳凰ほうおうの画があったそうだが、惜しいかな、十数年前修繕の際に取毀とりこぼたれてしまった。
結局、石崖を取毀とりこぼたない限りは完全な退治は出来難い事になってしまった。
めでたき風景 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
(この家はう三十年も前に取毀とりこぼたれてしまった。)精々せいぜい四室よまかそこらの家であったが、書斎を兼ねた八畳の座敷の周囲に大小の本箱を積み重ね
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
当時の記念かたみとしては鹿鳴館が華族会館となって幸い地震の火事にも無事に免かれて残ってるだけだが、これも今は人手ひとでに渡ってやがて取毀とりこぼたれようとしている。