包帯ほうたい)” の例文
彼は、痛々しい自分の頭の包帯ほうたいにびっくりしてしまって、とうとう自分の顔から自分の若さを読みとる余裕よゆうがなかった。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
カピが老兵ろうへいの役をやっているときは、目の上に包帯ほうたいをしてやる。最後さいごにいやがるジョリクールに大将たいしょう軍服ぐんぷくを着せる。これがなによりいちばんやっかいな仕事であった。
或朝、この監獄の表門が、ぎしぎしと左右に開かれ、中から頭に包帯ほうたいした一人の東洋人らしい男が送り出された。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
七艦隊司令長官「まあ、それだ。しかし今ぐは困る。日本本土攻略にいて十分なる用意を整えられんことを要求する。只今のような包帯ほうたい組、低能組、変人組、尻拭しりぬぐい組と一緒じゃ御免をこうむる」
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そこで、そっと手をあげて、包帯ほうたいのうえから、傷口をおさえようとした。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
河合は、箱自動車の方へとんで帰って、救急袋を持ち戻った。そこでとりあえず張の腕を包帯ほうたいでしばって血どめを施したが、それはうまくいかないと見え、せっかく巻いた包帯がすぐまっ赤になった。
火星探険 (新字新仮名) / 海野十三(著)