出村でむら)” の例文
そういう所へは出村でむらを企て永住をする者も後には出て来る。それゆえに焼くという地名が残っていて、実はもうただの耕地にしてしまっているのである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
従来の土地を耕作したのみでは生活が保ち切れないとなると、新たに荒地を開いて出村でむら枝村えだむらをつくる。
『三州志』などを見ると、加州藩では他の諸国で出村でむら分郷わけごう枝村えだむらといい、越前でえだなどといっていた小部落を垣内と公称し、何郷何箇村及び垣内幾箇処などと録している。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
みょう」は荘園の小区劃の意味で、おそらくは別名は個々の名主がなした追加開墾地であろう。要するにこれらの地名は今日の語でいうと枝郷えだごう出郷でごう出村でむらというのに該当するのである。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)