円蓋えんがい)” の例文
旧字:圓蓋
箱根竹をめて円蓋えんがいを作り、そのしほんに梯子段はしごだんを持たせて、いつぞやお話した百観音の蠑螺堂さざえどうのぐるぐると廻って階段を上る行き方を参考としまして
もう大円蓋えんがいは目に入らず、ただその寒ざむとした胴の灰色の壁だけが、のしかかるやうにそびえてゐるのでした。
死児変相 (新字旧仮名) / 神西清(著)
見あぐれば淡い新月に照らされて、碧玉随へきぎょくずいのような螢光を発し、いまにも頭の上に落ちかかろうとする怪偉な山容は、これぞアルプスの大伽藍だいがらんモン・ブランの円蓋えんがい
べにと緑の光弾、円蓋えんがい火箭ひや、ああ、その銀光の投網とあみ傘下からかさおろし、爆裂し、奔流ほんりゅうし、分枝ぶんしし、交錯し、粉乱ふんらんし、重畳ちょうじょうし、傘下からかさおろし、傘下し、傘下し、八方に爛々らんらんとして一瞬にしてまた闇々あんあんたる、清秀とも
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
名残りの円蓋えんがい数珠じゅずかけばと
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
蒼天は円蓋えんがいの如し
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)