其辺そこいら)” の例文
旧字:其邊
『ハ、其辺そこいらまで御同伴ごいつしよ。』と馴々敷なれなれしく言ひ乍ら、はにかむ色もなく男と並んで、『マアわたしの方が這麽こんなに小い!』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と、其辺そこいらに居合はす番頭手代を駆り集めて、そのなかでい気になつて皿の物をぱくつくにきまつてゐる。
待つても/\丑松が帰つて来ないので、軈て蓮太郎はすこし其辺そこいらを散歩して来るからと、田圃たんぼの方へ山の景色を見に行つた——是非丑松に逢ひたい、といふ言伝ことづてを呉々も叔母に残して置いて。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「叔父さん、御暇でしたら、すこし其辺そこいらを御歩きに成りませんか」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「どこぞ其辺そこいらに捨ておけと言つてやれ。」