先潜さきくぐ)” の例文
平次は珍しく先潜さきくぐりをして、宗太郎の話の腰を折りました。そうでもなければ、いつまでも愚痴を並べていそうで、我慢がならなかったのです。
「なんでしょう。」女はこう云って置いて、先潜さきくぐりをするように言い足した。「もっとここにいるのでしょう。」
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
賞めませぬ賞めませぬ、どうしてなかなか賞められませぬ、高が相手は此方こちの恩を受けて居るのっそりめ、一体ならば此方こちの仕事を先潜さきくぐりする太い奴と高飛車に叱りつけて
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と過度の心配はとかくに余計な先潜さきくぐりをする。兄は言下に打消し
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
平次はもどかしそうに、八五郎から聴かされた筋を先潜さきくぐりしました。