“係恋”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あこがれ60.0%
けいれん40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みんなが気の毒がつて、やつと拾つて来た木の実を、少しづゝ分けて遣りました。大方爺いさんは流浪人の係恋あこがれとでもいふやうな心持になつてゐたのでせう。
これまで対象のない係恋あこがれに襲われたことのあるに比べて見れば、この空想の戯れは度数も多く光彩も濃いので、純一はこれまで知らなかった苦痛を感ずるのである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
全体がむつかしくない、赤人的な清朗な調べの歌であるが、菫咲く野に対する一つの係恋けいれんといったような情調を感じさせる歌である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
海の玉藻に対する係恋けいれんとも云うべきもので、「思ほえむかも」は、多くは恋人とか旧都などに対して用いる言葉であるが、この歌では「玉藻」に云っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)