他処ほか)” の例文
旧字:他處
一体こりゃどうしたんです?……さも重大なことみたいに仰っしゃってさ! 他処ほかでだったら無償ただでもくれますよ。
クビにされたら他処ほかで使はれる当はなし、僕はまるで、まつくらな毎日なんだから……
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
その店の焼芋はすばらしく大きかったので、遠くからも買いに来た。他処ほかでは見られないことは、この家、この店土蔵だけの住居で二階が住家すみかであり、小さな物干場へは窓からくぐり出していた。
旧聞日本橋:02 町の構成 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
ひドシャ降りではあるけれど足が他処ほかへ向いてしまふ。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)