五月いつゝき)” の例文
五月いつゝきになるお照の身重の腹を、重二郎に持って居ります扇でそっと突かれた時は、はッとお照は有難涙ありがたなみだに思わず声が出て泣伏しました。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
山にゐて、四月よつき五月いつゝきも逢はずにゐた友達に逢つてかうして団欒して飲むといふことは楽しいことであると思つた。私はその翌日はもう山に来てゐた。
社会と自己 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
やどりはや五月いつゝきあひなり候と申上げれば徳太郎君きこめし甚だ當惑たうわくていなりしがやゝあつて仰けるは予は知る如き部屋住へやずみ身分みぶん箇樣かやうの事が聞えては將監が手前てまへ面目めんぼくなし予もまた近々きん/\に江戸表へ下り左京太夫殿の家督かとく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大抵四月縛よつきしばりか長くても五月いつゝきという所を、べん/″\とやすい利で御用達ごようだて申して置いたのでげすから、ヘエ何うか今日こんにち御返金を願います、馬鹿々々しい、幾度来たってはてしが附きませんからなア
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)