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不手際
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ふてぎわ
ふりがな文庫
“
不手際
(
ふてぎわ
)” の例文
三十枚四十枚と訳しおわると直ぐ読返しもしないで金に換えたものであるが、それでも二葉亭の飜訳としてはかなり
不手際
(
ふてぎわ
)
であっても
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
皮付きの松丸太を極めて
不手際
(
ふてぎわ
)
に組み立て屋根の上には
強北風
(
トラモンタアヌ
)
よけのごろた石を載せたという堂々たる『極楽荘』に行き当った。
ノンシャラン道中記:05 タラノ音頭 ――コルシカ島の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「おいいつけの如く、諸事、取り運んだつもりでございますが、何分、急な御秘命、
不手際
(
ふてぎわ
)
のところは、お
宥
(
ゆる
)
しを仰ぎまする」
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たまたま今度
渦
(
うず
)
の中に巻き込まれた事件が、破談になるのは避け難いとしても、自分の
不手際
(
ふてぎわ
)
もあって関係者に気まずい思いを残すことになり、そうしてそれが
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
放つ矢のあたらぬはこちらの
不手際
(
ふてぎわ
)
である。あたったのに
手答
(
てごたえ
)
もなく
装
(
よそお
)
わるるは
不器量
(
ふきりょう
)
である。女は不手際よりは不器量を無念に思う。藤尾はちょっと下唇を
噛
(
か
)
んだ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
……そちこち
御註文
(
ごちゅうもん
)
の時刻でございますから、何か、
不手際
(
ふてぎわ
)
なものでも見繕って差し上げます。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
流星は長い間の伝統を維持して来ただけに、構造製作が原始的であるのは
免
(
まぬ
)
かれ難い。しかもここ数年中止していた
挙句
(
あげく
)
のことで、余計
不手際
(
ふてぎわ
)
になったのであろう。それでも鶴見は満足した。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
何とも
不手際
(
ふてぎわ
)
なことであった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
亀山領内の民治には、明主ぞ仁君ぞと仰がれていながら、その政治的手腕にも似あわず、軍事にかけては、
焦心
(
あせ
)
り気味がみえ、
不手際
(
ふてぎわ
)
が目立った。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ともかく、ひと頃は、織田家の一家老のひとりと
敬
(
うやま
)
われ、
信長麾下
(
のぶながきか
)
の名将といわれた彼にして、
蟹江
(
かにえ
)
の
籠城
(
ろうじょう
)
に立ち至ったことは、何としても、その
不手際
(
ふてぎわ
)
にあわれすら催される。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
“不手”で始まる語句
不手廻